「お母ちゃん、お手々が冷たい、お手々がちんちんする。」
子狐は濡れて牡丹色になった両手を母さん狐の前にさしだしました。
母さん狐は坊やのお手々に合うような毛糸の手ぶくろを買ってやろうと思うのですが・・・
新見南吉 作、黒井健 絵。
うつくしい日本語とうつくしい絵で彩られた
飾っておきたくなるような日本の名作童話です。
この本は、実は我が家にとって娘の睡眠薬でした。
赤ちゃんの頃から絵本を読んでから眠るのが日課になっていましたが
絵本といえども毎日毎晩5~6冊、多いときは10冊以上読まないと眠らない娘に
正直、イライラしてしまうことがありました。
そんなとき、この「手ぶくろを買いに」を、静かな口調でゆっくり読むのです。
2~3才くらいにはまだ難しい言い回しが多く、柔らかな語り口だからなのか
すぐに寝息を立てはじめ、そのうちぐっすり眠ってしまいます。
自分も優しい気持ちになれて一石二鳥なのです。
でも、ちゃんと中身は覚えているようで、冬が来ると娘は今でも
子狐の言葉を真似して私に手を差し出します。
私がそのぷっくりした手を両手で包んで、はーっと息を吹きかけてやると
それで、満足して登校していくのです。
このかわいい儀式、いつまで続けられるのかなぁ・・・
本当は同じ作者たちの「ごんぎつね」も紹介したいところですが、それは無理。
読んでいる途中に私がボロボロ泣いてしまうからです。
気持ちがたかぶって、かえって眠れなくなりそう・・・ (^_^;)
でもこちらも、飾っておきたくなる美しい絵本ですよ。
調べていたらこのふたつのお話は映像化もされているそうです。
1989年にビデオで発売され、大好評を得た作品をDVD化したとのこと。
黒井健さんをアートディレクターに迎えて、絵本の原画をそのまま使用し、
さらに描き下ろしの新作画も追加ときては、黒井健ファンにはたまらないですね。

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